国立市内で平和のシンボル「アンネのバラ」が見頃を迎え、国立市役所では満開となっている。
2000(平成12)年に「国立市平和都市宣言」の記念植樹として、くにたち郷土文化館に3本の苗木が植えられたのが始まりで、ホロコースト記念館(広島県福山市)の「スモールハンズ」の子どもたちが接ぎ木で育てたものを、ホロコースト教育資料センター(新宿区)の「小さなつばさ」の子どもたちが仲介し届けられた。その後、2003(平成15)年に市民のボランティアグループから苗木の寄贈を受け、国立市役所、同市内の小中学校、図書館など市内約20カ所に植えられ、同市内のさまざまな場所で「アンネのバラ」が咲き誇っている。
「アンネのバラ」は、「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクをしのび、ベルギーで作出された新種のバラ。つぼみの咲き始めは赤く、花が開いた始めは濃いオレンジ色、徐々にピンク色から薄いピンク色へと変化し咲き終わる変わった品種。咲く時期によって、種類の違うバラかと思うほど色の変化が大きい。房咲きでたくさんの花が付き、5月のシーズン最初に花が咲く時は、脇から出たつぼみを摘花するため、一輪一輪が大きく豪華に見える。
同市市長室平和・人権・ダイバーシティ推進係の吉村佐和子さんは「市役所には、西側広場の北側、平和祈念の像の所に2本、南側植え込みに6本の計8本の苗木があり、今が最盛期に近く、現在80輪ほどが咲いている。匂いが良く心を豊かにしてくれるバラの中でも、アンネのバラは、アンネの平和への思いが込められた特別なバラ。市役所のほか、市内複数の場所で咲くアンネのバラが、見てくださる方の心の癒やしとなるよう、ぜひ足を止めてご覧いただければ」と呼び掛ける。
同市のホームページ「アンネのバラ ギャラリー」でバラの写真やバラマップも見ることができる。