小笠原諸島のアンテナショップ「島想食堂(しまおもうしょくどう)」(立川市錦町1)が立川にオープンして1カ月がたった。
同店は世界自然遺産に登録されている小笠原の自然や文化を紹介するアンテナショップ。食堂として小笠原の食材や郷土料理を提供する。小笠原の特産品も販売。観光情報も提供する。店主の中西奈美さんは小笠原諸島の出身で、調理科のある高校に通うため上京し、レストランやホテルなどの飲食店に従事。9年前、立川市のチャレンジショップで1年間限定の飲食店を運営した後、立川市の姉妹都市で長野県大町市のアンテナショップの店長を務めた。
食堂では、白身魚と玉ねぎや大根を島唐辛子と小笠原の柑橘ダイダイでマリネしたあえ物「ピーマカ」や、鶏肉と野菜を煮たスープに小麦粉を練った団子(ダンプレン)を加えたポトフのような汁料理「ダンプレン」などの小笠原の郷土料理や、新鮮な野菜を使った日替わり総菜を用意する。総菜はテイクアウトでも販売する。夜は酒も提供。
小笠原の旬の農産物やクラフトアイテム、手作り菓子は小笠原から直送してもらい販売。今後は店内イベントに力を入れ、小笠原を知ってもらうためのセミナーのほか、小笠原と大町の食材や立川野菜を使う作り置き料理教室、小笠原ではポピュラーなポットラックパーティーなどを開催するという。
「小笠原を離れて長くなるが、年々、再認識することが多くなった島の魅力を多くの人に伝えたいと店を開いた。店を拠点にゲストと小笠原をつなげて、観光誘致や物品の流通など良い流れを循環させることで、育ててもらった島に少しでも恩返ししたい」と中西さん。「オープンからの1カ月は知人、友人、島の関係者などたくさんの人に利用してもらえたほか、島を知っている人と全く知らない人が出会うこともできた。本当に感謝している。『小笠原にいつか行ってみたい』を『行ってきます』に変えられるように客をつなぐ店でありたい。店で一緒に楽しんでもらえたら」と呼びかける。
営業時間は、11時~14時、17時~22時(日曜は10時~18時)。月曜定休。