歌手の八代亜紀さんが立川のスタジオから高齢者施設向けオンラインコンサートの配信を始めて、5月8日で1年がたった。
立川から全国の高齢者施設へ配信 八代亜紀さんオンラインコンサートが1周年
同企画は、コロナ禍で外出や面会などの制限が多い生活を送る、5200施設・17万人以上の高齢者福祉施設に向けた無料のオンラインコンサート。八代さんが立川に毎月出向き、ライブ配信施設を備えたバーチャルスタジオを持つ「吉田エンターテインメント 立川スタジオ」(立川市曙町1)から生配信している。
40分間の番組では、トークや歌と併せて、視聴者の作品を紹介したり、施設とZoomでつなぎ質問に答えたりするなど、視聴者と交流しながら進行。八代さんの代表曲である「雨の慕情」がかかると、画面の向こうでは視聴者が、歌詞の「雨々ふれふれもっとふれ」に合わせて傘を振って共に楽しむ姿も見られる。
同社の吉田勝社長は「コロナ禍の今こそ、エンタメや歌の力が必要、八代さんの歌を人生の先輩方に届けたいと、企画を相談した」と話す。八代さんも2020年に母親が他界。晩年はコロナ禍でガラス越しの面談を余儀なくされた経験から、思いが重なり定期配信が実現したという。
八代さんは「今の時代には『優しさや助け合いが必要』とコロナに教えられた気がする。コロナで、街が沈んで悲しいこともあったけど、これまでメジャーではなかった配信技術を生かせるようになった。配信を通じて、長年自分を支えてくれた世代の方々に感謝を伝えたい」と話す。
番組のエンディングでは「楽しく過ごそうね、遊んでね、よろしくね、元気でね」と笑顔で手を振る八代さん。「皆さんが、メッセージを書いたうちわを画面越しで振って応援してくれる。ワクワクすることをやってほしいし、楽しくなるお手伝いをしたい」と笑顔を見せる。
今後も継続して同活動を継続するため、ホテルエミシア東京立川(曙町)で5月31日、チャリティーディナーショーを行う。