国の史跡に指定されている武蔵国分寺跡(国分寺市西元町・東元町)敷地内に10月、「史跡の駅」がオープンする。「道の駅」は全国的に知られているが、「史跡の駅」は日本初の開設となる。2月17日、約7,204万円の予算が盛り込まれた同市の2009年度予算案が発表され、新年度から契約と着工に入る。
同所は、奈良時代に聖武天皇の勅願で建立された旧国分寺の寺域の中心部と、尼寺跡の一部が史跡公園として整備されており、現在11ヘクタールに及ぶ敷地内には、金塔や七重塔などの歴史的建造物の跡地が点在する。
同市ふるさと文化財課の福田さんは「これまで、広すぎて案内が行き届かなかったり、トイレや休憩所の設備が十分ではなかったりした点などを改善するため、空き家を移築し、資料館と休憩所を兼ねた駅を作ることにした。パネルや写真の展示、案内パンフレットなどを用意し、それぞれの史跡にスポットを当て、史跡巡りの拠点となる場所を提供したい」と話す。
「市民の参加と協働」をスローガンに掲げる同市は、地元ボランティアやNPO法人などから成る実行委員会を設立し、定期的に市民会議を開く予定。「駅」には嘱託職員による「駅長」が常駐するほか、観光案内や地元の生産品のPRなど、スタッフも市民の幅広い参加を募り「市全体で運営を盛り上げていきたい」と福田さん。「もともとあった施設を改修しバリアフリー化するなど、高齢者も安心して利用していただける駅作りを目指す。幅広い年齢層の方に来ていただき、史跡への理解を深めていただけたら」とも。