オーベルジュときと(立川市錦町1)で2月7日・8日、「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局立川立飛局」が開かれた。藤井聡太王将に菅井竜也八段が挑戦し、121手で藤井王将が勝利し、4勝0敗のストレート勝ちで王将戦を3連覇した。藤井王将は、2020年の棋聖戦からタイトル戦20連覇となり、大山泰治十五世名人の記録を58年ぶりに更新し、新記録を樹立した。
藤井王将は「中盤は長い将棋になり判断が難しいところが多かった。記録を意識していなかったが、意識してもなかなか目指せるものでもないので光栄。これまでのタイトル戦を振り返ると苦しいシリーズもあったので、こういう結果が残せたのは幸運もあったのかなと感じている」と話した。
両対局者は終局後、たましんRISURUホール(錦町)で開かれた大盤解説会に向かい、壇上であいさつ。敗れた菅井八段が「将棋ファンの人にも対抗形特有の中終盤の戦いを見てもらいたかったが、作戦や準備不足が目立った。明日からも頑張って生きるしかないので頑張ります、はいっ」と苦笑いすると、会場から拍手が送られた。
今年初めて対局が行われた「オーベルジュときと」では、「2種類のミニ鯛(たい)焼き 小豆とカスタード」「金の抹茶アイスラテ」「かじか出汁(だし)のラーメン」「ラム肉の炭火焼き」「練りたてわらび餅 メープルきな粉と黒蜜」「ミルクジャムとかんきつのロールケーキ」などを提供。
藤井王将は「『ときと』は、いい所と聞いていて楽しみにしていたが、期待以上に洗練された雰囲気で、食事もおいしく、素晴らしい環境で対局をさせていただいた」と振り返る。
「私自身、立川での対局は今回で3回目だが、盛り上がりを実感している。今年からは達人戦も開かれ、公開対局と併せてイベントも開いていただき、ファンや立川市の方に将棋を身近に感じていただく機会になったと思うので、今後もそういうかたちが続けば」と期待を込めた。