病気の子どもと家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス ふちゅう」(府中市武蔵台2、TEL 042-300-4181)が現在、ボランティアを募集している。
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は1974年、アメリカで「マクドナルド」の店舗オーナーが寄付をしたことから世界各国で同社の支援が広がり、現在42カ国に367のハウスが開設されている。日本では「一般市民が病院や病気の人を支える」という発想がなかったが、「新しい医療文化の始まりを」と2001年に日本初のハウスを開設。日本でもマクドナルド各店で募金箱の設置やハウスでボランティア活動が行われるなど、同社が支援を手掛けている。現在、全国に12のハウスがあり、2010年に7施設目として「都立小児総合医療センター」(同)近くに「ふちゅうハウス」がオープンした。
コンセプトは「病気の子供と家族が、第二の我が家のようにゆったりとくつろげること」。一人一日1,000円の利用料で最長28日間利用でき、1週間たつとさらに2週間利用できる仕組みとなっている。部屋数は12部屋。同職員の向井利之さんは「孤立しがちな家族にとって、ハウスは利用者同士のかけがえのないコミュニティーの場となっている」と話す。施設の運営費やハウス内の家電製品、日用消耗品、食品などは全て個人や企業からの寄付と募金による。「必要な家族にご利用いただくためにも、一人でも多くの方にハウスを知っていただきたいというのが私たちの願い」と向井さん。
受付や事務作業、ハウスキーピングや夜間宿直など同施設の運営を担うのは5人の職員と多摩全域に住む16歳~84歳の170人のボランティア。「病院に行く時に、ボランティアさんに『行ってらっしゃい』『お帰りなさい』と温かい言葉を掛けてもらいうれしかった」などの感想が寄せられ、「職員ではなく地域のボランティアが身近にいることは利用者の精神的支えにもなっている」と向井さん。「負担のない範囲で参加してほしい」と、ボランティアは1回3時間、月に2回程度の活動で、「安定した運営のためにはあと50人ほどが必要」だという。
ボランティアの説明会を毎月開催し、9月は9日(10時~、14時~)と11日(10時~、14時~、18時~)に行う。内容はハウスの説明や先輩ボランティアによる見学会などで、約90分間。対象は「15歳以上(中学生不可)の心身ともに健康な方」とし、「ナイトボランティア(宿直)」の年齢上限は69歳まで。申し込みは電話(9時~18時)やメールなどで受け付ける。説明会終了後、希望者は2度の体験ボランティアを経て、本登録に進む。
「それぞれの方ができる範囲で何かしらの形でサポートしていただければ。体験をしてゆっくり考えて参加を決めることができる。難しいことや覚えることはないので、まずは説明会に参加していただければ」と呼び掛ける。