国分寺の「ディーランド(D-LAND)」(国分寺市南町3)が3月18日、多摩エリアにおける経済発展性と社会課題の解決の両立を目指した実験的協創メディア「多摩未来協創会議」を開設した。
同社はクリエーター共創プロジェクトの企画・運営・制作や美大生のコミュニティースペース運営など、コンサル・プロデュース事業を行う。社長の酒井博基さんは「日本でも有数のベッドタウンで超高齢化社会の最先端モデルとなり得る多摩エリアにおいて、企業が切り開く新たな創造社会の理想モデルとなる『多摩モデル』の構築を目指す」と話す。
取り組みは、国分寺市内に中央研究所を構える「日立製作所 研究開発グループ」が多摩地域におけるデジタル技術を活用した市民参画のあり方を議論する「デジタル多摩シンポジウム 2019 in 国分寺~人視点で将来のデジタル化した地域の姿を考える~」を機に構想がスタートした。同グループは協創パートナーとして参画する。
同メディアでは、地域やそこに暮らす人々にフォーカスした社会システムのあり方をテーマに、地域と企業による対話のプロセスをコンテンツ化し情報発信を行う。「地域社会で起こるさまざまな現象を独自の視点で読み解き、問いを抽出し、共に考える場を形成していく」という。対話の先にある協創プロジェクトの社会実装や事業化を前提とし、「インタビューを通じて立てた問いのテーマをもとに、事業者単独では達成できない新たな価値となる解を一緒に考えるオープンなミートアップ会議」を行っていく。
地域活動から社会の兆しを捉え気付きを得る「地域×企業」の対談の第1弾として、国分寺野菜の魅力を広め地産地消による地域活性化に取り組む「こくベジ」プロジェクトの高浜洋平さんと奥田大介さんを、日立製作所 研究開発グループ担当者がインタビューしたほか、それを受けての社内会議インタビューの内容が掲載されている。4月21日に予定する第1回のミートアップでは、「『地域×企業』の掛け合わせによって双方が思う『住民が関与できる新たな余地のつくりかた』について議論を交わし、小さなアクションから大きな公共へゆるやかにつながり、地域が豊かであり続けることへの可能性を探りたい」と酒井さん。
「多摩エリアにおける、企業を起点としたまちづくりに可能性を感じている。今後、当メディアを通じて社会実装を加速させる濃密な議論の場を形成していくので、興味のある企業の方にぜひ参画いただければ。企業に加え、行政や近隣の教育機関、NGO・NPO、スタートアップにも広く参画を呼び掛ける」とも。