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国立で「甲野勇 くにたちに来た考古学者」展 オンラインでミュージアムトークも

国立の自宅の庭でくつろぐ甲野勇 昭和30年代(くにたち郷土文化館提供)

国立の自宅の庭でくつろぐ甲野勇 昭和30年代(くにたち郷土文化館提供)

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くにたち郷土文化会館(国立市谷保)で現在、生誕120年を記念し「甲野勇 くにたちに来た考古学者」展が開催されている。

展示室の様子

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 戦後間もない1946(昭和21)年から1967(昭和42)年に亡くなるまでの約20年間、国立で暮らしていた甲野勇。同展では、甲野勇の博物館活動と国立での発掘調査を中心に多摩地域におけるさまざまな功績を紹介する。自身の使命として取り組んだ、博物館の設立運動や、中高生への発掘指導、埋蔵文化財保護活動に焦点を当て、当時の写真や自筆の原稿を中心に展示。

 博物館の設立運動では、現在の江戸東京たてもの園の前身である武蔵野郷土館や国分寺町立文化財保存館、八王子市郷土資料館などの設立に携わり、当時はまだ珍しかった野外展示の手法を取り入れるなどした甲野勇。中高生への発掘指導では、都立国立高校による発掘調査で出土した土器や須恵器、土師器なども展示する。

 併せて、ミュージアムトーク「甲野勇先生の人と学問」も開催。甲野勇と交流の深かった、北海道立北方民族博物館元館長の岡田淳子さんを講師に迎え、文献などの記録では分からない、甲野勇の人柄や学問への姿勢、博物館設立への思いなどを話す。事前に収録した映像を、Zoomを使ったオンラインイベントで上映する。

同館学芸員の中根聖可さんは「当館では開館以来、甲野氏が生前に所有していた資料を所蔵しているが、長らく氏に関する展示が開催されていなかったことなどから、市内でもその知名度はあまり高くはない。当展で展示している資料は、氏の仕事や考古学史はもちろん、国立の歴史もうかがい知ることができる貴重な資料」と話す。

 「当展が、考古学に関心のある方のみならず、国立の歴史や博物館史、社会教育活動などに関心をお持ちの方にも氏の活動を知っていただく機会になっていただけたら。当館ホームページでは、当展の解説冊子や資料の一部を公開している。緊急事態宣言などで来館いただけない方も、ぜひ利用いただければ」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~17時。期間中、8月12日・26日、9月9日は休館。入館無料。ミュージアムトークは8月21日13時30分~15時。参加無料。9月12日まで。

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