上砂川小学校(立川市上砂町5)で10月28日、玉川上水環境保護のための清掃活動が行われた。
参加したのは、同校で「立川市民科」の授業を学習する5年生87人。「まちを知り、まちに愛着を持ち、まちに貢献できるまちの担い手を育てる」ことを目的に、同校では本年度より学校そばを流れる玉川上水の自然や歴史を学ぶ「玉川上水学」に取り組んでいる。
今年6月、八ヶ岳自然教室(北杜市高根町清里)で「八ヶ岳の自然を守る会」より自然保護の活動について学んだ5年生。「玉川上水にも自然がたくさんあるので見に行ってみては」と勧められたことをきっかけに、同所を訪れた。観察すると、ゴミが落ちている一方で木には巣箱が取り付けられ、「ここでも自然保護をしている人たちがいるのかもしれない」とネット検索し、「玉川上水の自然保護を考える会」とつながった。
同会でホタルの保護や育成に尽力する萩本悦久さんをゲストティーチャーとして招き、自然保護について話を聞き、自分たちにできることについて意見を出し合った。会では、後継者不足とゴミ問題に直面していると知り、5年生全員で意見を出し合い、清掃活動を行うことを決めた。
清掃を始めると、草むらや木の陰に空き缶やガラス、ハンガー、ペットボトル、たばこの吸い殻などでゴミ袋がすぐにいっぱいになった。参加した男子児童は「想像をはるかに超えるほどゴミがいっぱいあって、びっくりした」と話す。
児童らは校外学習をするに当たり、校長先生に企画書を出して許可を得たり、ゲストティーチャーに電話で依頼を行ったりした。研究主任の藤橋研教諭は「自分たちの地域を自分たちで守るという目的を持ち、主体的に取り組むことができた」と振り返る。今後は、学習内容や取り組みを冊子にまとめて、公民館や図書館に置き地域にも周知していきたいという。
女子児童は「玉川上水は身近にあったが、改めて見てみると、きれいな花が咲き、こんなにすてきな場所が近くにあると気付かされた。活動がこれで終わるのではなく、次の世代にも引き継いで自然を守っていきたい」と意気込む。