立川市出身の落語家で落語立川流真打の立川寸志(たてかわすんし)さんが10月1日、「たちかわ広報PR大使」の第1号に就任した。市役所で同5日、就任式が開かれた。
「たちかわ寸志がつとめます」市長に色紙を贈呈する立川寸志さん
市の魅力や行政情報を分かりやすく伝え、市民の市への愛着を育むことを目的とする同大使。就任式では酒井大史市長から任命書が交付され、公募でデザインが決まった大使の名刺も贈られた。
寸志さんは1967(昭和42)年、立川市栄町生まれ。市立第五小学校、第二中学校、都立立川高校を経て東京都立大学へ進学した。中学時代に落語に親しみ、寄席や落語会に通い始め、大学では落語研究会の会長を務めた。卒業後は福武書店(現ベネッセコーポレーション)に入社し、「たまごクラブ」「ひよこクラブ」の名付けにも携わった。出版社で編集者として働く中で、後に師匠となる落語家・立川談四楼さんと出会い、2011(平成23)年、44歳で入門。今年10月1には、落語家として最高位の真打ちに昇進した。「立川出身だから立川流を選んだのかとよく聞かれるが、それはたまたま。大師匠の立川談志さんのファンだったことや、立川流に年齢制限がなかったこと、談四楼師匠との縁が重なった」と振り返る。
地元・立川では毎年、「たましんRISURUホール」(立川市錦町3)で「里帰り落語会」を開くほか、故郷の栄町で「栄町寄席」に出演。立川市地域文化振興財団による出前授業「落語キャラバン」でも落語を披露してきた。酒井市長とは同じ小中学校の出身で、就任式では当時の教員の話で盛り上がり、寸志さんが社会科研究部に所属していたことも話題になった。
大使就任について寸志さんは「落語家として15年、実直に活動してきた中で、こういう話をいただけるのは本当にありがたい」と話す。「立川市内で活動するときは、1年間限定で『たちかわ寸志』にしようかと思っているが、まだ師匠に言い出せない」と笑いを誘った。
大使としての活動の一つが、市のユーチューブチャンネルで配信する詐欺防止啓発動画への出演。オリジナルの落語でニセ警察詐欺への注意を呼びかける。「被害者は高齢者だけでなく、若い世代にも広がっていると聞き、笑いを取り入れながら幅広い世代に向けて伝えた。実は父も母も元警察官なので、親に自慢ができる」と話す。
起用について酒井市長は、担当課職員から推薦があったと説明し、「市の取り組みを、市民の暮らしに溶け込むように伝えていただけることを期待している」と話した。
JR立川駅ホームの「奥多摩そば」で食べる「おでんそば」が好物という寸志さん。立川の魅力を「変わることを恐れず、新しいものを受け入れながら古いものも大切にするところ。商業も農業もあり、敷居の低さがにぎわいをつくっているのでは」と話す。お薦めの場所を尋ねられると、鉄道好きの視点から「立川駅前の頭上を走る多摩モノレールの未来都市感」を挙げ、地元の栄緑地(栄町)や国営昭和記念公園(緑町)も紹介した。
「落語は庶民に身近なので、暮らしの隅々まで届くのでは。そうした役割をいただくのは、落語家としての腕も試されていると感じる。精いっぱいPRしていきたい」と意気込む。